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雨仕舞とは?重要なポイントと注意点を解説!

2019.11.22

ふだんあまり聞きなれない「雨仕舞(あまじまい)」という言葉。
屋根の修理依頼をしたときに業者から聞いた時に何のことかわからず気になった人もいるのではないでしょうか。

じつはこの雨仕舞は家を守っていく上で、施工業者を選ぶ段階から慎重に行わなければいけないほど、とても重要なモノなのです!
もしも業者選びを誤ってしまうと、修繕したのに雨漏りが悪化してしまったなんてことにもなりかねません。

そこでこの記事では、雨仕舞の基本的な知識から施工業者選びのポイントに至るまでをまとめました。
ぜひ参考にしてください!

雨仕舞(あまじまい)とは

雨水の侵入を防ぐため主に屋根や外壁に用いられる施工方法です。
きちんと雨仕舞をすることで雨漏りによる建物の劣化や、外壁の雨水汚れを防止することができます。

雨仕舞はこんな構造になっている

雨仕舞の基本的な構造は

  • 水切り金具
  • 防水紙
  • コーキング

の3つを使って施工されます。
上記は屋根の雨仕舞を図にしたものですが、ベランダや壁など材質の変わる部分などでも同様の道具を使って施工されることがほとんどです。

雨仕舞は防水ではなく排水対策

雨仕舞は、「雨漏りを防止する」という観点から防水対策と捉えられがちですが、その役割を厳密に表すと防水ではなく「排水」となります。
雨漏りを防ぐことや、水の侵入を防ぐという目的は共通していますが、その役割が違うのです。

では防水と排水、両者の違いはどのような点にあるのでしょうか?以下で詳しく見ていきましょう。

雨仕舞は防水とセットで効果を発揮する

まず防水とは、雨を弾くことで住宅内に侵入を防ぐ役割を果たします。
一方で防いだ後の雨水の処理までは設計されていません。
そこで雨仕舞を設置し、排水できる適切な逃げ道を作ることで雨水は初めて処理されることになります。

つまり単体ではどちらの設備も機能することができず、2つがセットになることで大きな効果を発揮することが出来るのです。

雨仕舞は高い技術と知識を要する

近年では防水シートの性能が大幅にアップしていることから、複雑な知識がなくても充分な防水機能を施すことができます。
一方で雨仕舞の工法は昔と比べてもあまり変わっておらず、技術力や経験をもとにした高い知識が求められます。
そのため知識や技術がなければ充分な効果を発揮することができません。

したがって、雨仕舞をきちんと仕上げることのできる技術力がとても重要であるといえます。

チェックすべき雨仕舞の重要ポイント

雨漏り対策として重要なのは、雨仕舞の質です。
その質によって充分な効力を発揮できるかどうかが決まります。
とはいえ、依頼者が職人の技術力を見極めることは、業界に精通した人でもない限りかなり難しいことです。

職人さんに「技術はありますか?」なんて聞こうものならきっと怒られてしまいますよね。
そこで、ここからはとくに重要となるチェックポイントを下記にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

立ち上がり

立ち上がりとは、壁と廊下の接地面のように、建材と建材がぶつかる部分のことです。
垂直にぶつかっていることもあれば斜めにぶつかり立ち上がっている場合もあります。
この部分は角度がつくため雨仕舞でも難しい部分です。

取り合い

https://oshiete.house-gmen.net/sekotm190314/

違う部材同士の連結部分となる「取り合い」は、住宅を含めた建物全般でもとくに雨漏りが発生しやすい箇所です。
そのため重要度も高雨仕舞のなかでも重要な部分で、屋根と壁の接合部などが該当します。

垂直な壁に対して水平に近い角度の屋根があると、壁をつたって降りてくる水の通り道を塞ぐため排水することができません。
この部分がきちんと処理されていないと、雨水は一定の場所に留まることになり、その結果、雨漏りが発生してしまいます。

では上記の2点を踏まえた上で、どのような場所に気を付けるべきか場所別で見ていきましょう。

ベランダ床

外壁とベランダ床の合わさるL字部分が「立ち上がり」です。
ベランダやバルコニーなどの出入り口に取り付けてある水切り金具は、出入りの際に踏まれることが多く傷みやすい箇所です。
普段はあまり気を付けることがないため、言われてみれば踏んでいたという人も多いのではないでしょうか。
傷みがひどくなると、ここから雨水が浸入していきます。

屋根棟部

屋根の頂点となる棟部には、棟板金と呼ばれる水切り金具が設置されています。
経年劣化によって打ちつけた釘の浮きや棟板金の浮きが生じると、雨仕舞の効果を得ることできません。
また、固定力が弱まると、突風や耐風、竜巻のような強い風で飛ばされてしまう危険性もあります。

屋根の頂点部分にあるため、日常的にチェックをすることは困難です。
しっかりとした雨仕舞であっても、定期的なチェックと修繕が必要となる箇所である認識を持っておきましょう。

谷樋(たにとい)

雨漏りするケースが多い部分でもあるのが、谷樋(たにとい)という屋根の傾斜の間で谷になっている部分です。
この部分は谷になっていることで雨どいとして機能します。

しかし劣化してしまうと、穴が空いたり周辺が裂けたりすることが多く、屋根内部に雨水が浸入してしまうことも。
また豪雨などで雨量がキャパを超えてしまうと雨水が浸入し雨漏りの原因にもなります。
谷樋のみの部分的な修繕ができないため、工事が広範囲となりがちな部分です。

ドーマー

A:ドーマーと屋根の取り合い部が問題。

https://kamisei.co.jp/news/721

1階の屋根と2階の外壁が結合する部分ではシーリングが切れていたり、防水紙が充分な長さ取られていなかったりした場合に雨漏りが発生します。
また水切り金具の施工不良で雨漏りが生じる場合があります。
目が届くようであれば日常的に確認するようにしましょう。

窓枠サッシ

出典:hhttp://www.amamore.net/repair-of-roof-consideration/15784/

窓枠のサッシも雨漏りの多い部分となります。
窓枠サッシから雨漏りする大きな原因はシーリングの経年劣化です。
シーリングが傷むと隙間が生じ、そこから雨漏りが発生します。
窓枠から雨漏りすると室内に直結しているため、壁紙などに被害が及ぶケースも。
ネジの緩みや変形からも侵入してくることがあるので注意しましょう。

陸屋根

陸屋根では、外壁とフロア部分が立ち上がりとなっています。
その部分の雨仕舞のチェックはもちろんですが、水平なフロア部分の防水性が重要です。
ここの防水がきちんと施工されていなければ、水たまりとなってしまい劣化の原因となります。

雨仕舞が機能しない理由3つ

雨仕舞が機能しなくなると、建物の劣化を早め雨漏りの原因にもなります。
機能しない主な理由は、

  • 施工業者の施工が悪かった
  • 経年劣化で傷んだ・破損した
  • 台風などの自然災害で破損した

ということが考えられます。以下で具体的に見ていきましょう。

施工業者の施工が悪かった

施工業者の施工が悪いと雨仕舞はうまく機能しません。
なぜなら雨仕舞の施工には高い技術力と専門的な知見が必要となるからです。
施工業者の選定を誤ってしまうと、

  • 防水紙の向きが逆に貼られていた
  • 瓦屋根の塞いではいけない箇所まで塞いでしまった
  • スレート屋根で水の逃げ道をシーリングで塞いでしまった

という知識や経験不足からくるトラブルが往々にしてあります。

屋根の専門業者であれば知っておかなければいけない知識ではあるものの、「じつはそんなに詳しくない」という悪徳とも呼べる業者もあります。
改めて業者選びが大切だということがわかりますね。

経年劣化で傷んだ・破損した

ここまで読んでいただけたのであれば、すでにお気づきかもしれませんが、雨仕舞は消耗品です。
水切り金具やシーリングなど、傷みや消耗が激しくなればなるほど、リスクは高まります。
雨水を侵入させないためには定期的なメンテナンスと点検が必要不可欠です。

台風などの自然災害で破損した

近年連続して大型の台風が直撃し雨が続くなど、雨だけでなく風の被害も大きくなっています。
とくに竜巻や突風では屋根が飛ばされてしまうケースも少なくありません。

台風などの災害が過ぎた後には雨樋の外れや、屋根の頂点部分にある棟板金が外れてしまうケースが多くあります。
自然災害の直後はとくに念入りな点検をしましょう。

雨仕舞は技術と知識に富んだ施工業者選びが重要!

ここまで雨仕舞の重要性と、注意すべきポイントをまとめました。
建築関係はどうしても専門用語が多くなりがちでわかりにくいもの。
それを逆手に取って依頼者を不安にさせてしまう業者も多くいるのが実情です。

一方で住まいは私たちにとって、今後も長く付き合っていくべき財産のひとつです。
正しい理解を深め、本当に信頼のできる業者を見つけてくださいね。
不明点や質問などがあれば、ぜひ一度弊社までお問合せください。

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